Java Strutsとは?その他のフレームワークとの違いも解説!
開発を効率よく行うために用いられるフレームワークは、それぞれの言語ごとに様々なものがあり、ひとつひとつ異なる特徴を持っています。
そんなフレームワークのひとつとして、人気の言語Javaでの開発に使われるのが「Java Struts」です。
初心者におすすめのJavaフレームワークとして知名度も高いStrutsですが、果たしてどんなフレームワークなのでしょうか。
今回はJava Strutsについて、その特徴や他のJavaフレームワークとの違いなどをご紹介していきたいと思います。
目次
そもそもJavaとは?
Javaとは、1995年に現在のOracle社であるSun Microsystemsによって開発され、1996年にリリースされたプログラミング言語です。
それぞれの役割ごとのプログラムを「オブジェクト(モノ)」として分割して考え、オブジェクト同士の関係性を定義することによってシステムを構成する、という考え方であるオブジェクト指向を取り入れていることが特徴で、これによって効率的に開発を行えます。
また、JVM(Java仮想マシン)というソフトウェア上で動作するためOSなどプラットフォームに依存せず、どこでもプログラムを動かせることも特徴のひとつですね。
- Webアプリケーション開発
- Android向けスマホアプリ開発
- 組込みシステム開発
など、様々な現場で多岐にわたって採用される汎用性の高い言語です。
Java Strutsとは?
今回の記事でご紹介するJava Strutsは、前述したJavaのフレームワークです。
フレームワークとは開発に必要な機能・ツールなどを集めた枠組みのことで、活用することで記述量を削減できたり、また技術力の異なる者同士がチームとなって行う開発でもコードを統一できたりと、開発効率を高めることができます。
フレームワークはライブラリとも混同され勝ちですが、ライブラリは開発でよく使われる汎用的なプログラムを集めたものであるため、フレームワークは土台、ライブラリは部品のような役割であるという違いがあります。
Java Strutsはそんなフレームワークのひとつであり、JavaでのWebアプリケーション開発で使われていました。
脆弱性が発見され、被害があったために近年では新規の開発ではあまり使われていませんが、初心者がJavaフレームワークとして初めて学ぶにはコストも少なく、学習しやすいためおすすめだと言われています。
Struts1とStruts2の違い
Strutsには、Struts1とStruts2という2つのバージョンがあります。
2001年にリリースされ、2005年ごろ普及したStruts1は、2013年にはサポートが終了されました。
Struts2は完全な後継というわけではなく別のフレームワークとして1の終了より前、2007年にリリースされました。
こちらは現在でも一応サポートは終了しておらず、2024年7月時点ではver.6.4.0が最新となっています。
SAStrutsとの違い
SAStrutsは、Strutsをもとにして作られたフレームワークです。
The Seasar Projectという、日本のプロジェクトによってオープンソースでリリースされています。
Strutsの機能に、Webアプリケーションを動かしたままシステムを更新し、反映することができる「ホットデプロイ機能」など、様々な機能を追加したフレームワークですが、こちらも2016年にはサポートを終了しています。
Java Strutsの特徴
それでは、Java Strutsにはフレームワークとしてどのような特徴があるのでしょうか。
MVCモデルを採用している
MVCモデルとは、開発の際にプログラムをそれぞれ「Model」「View」「Controller」という3つの役割に分割し、役割ごとに独立させて開発を行うという考え方です。
これによって、それぞれが干渉しにくくなるため、作業効率を高めたり、なにかバグなどが起きた場合に原因を究明しやすくなります。
Java Strutsは、このMVCモデルを取り入れていることが大きな特徴です。
MVCモデルは他の様々なフレームワークにも取り入れられているため、学びやすいStrutsでこの概念を理解しておけば、新たなフレームワークを習得する際にも役立つでしょう。
歴史が長い
Java Strutsは、Javaフレームワークの中でも歴史が古いことも特徴です。
歴史が長いということは、それだけ多く利用されてきたということでもあります。
その分ドキュメントや情報も多く残されているため、そういった点でも学びやすく初心者におすすめと言えるでしょう。
環境やソフトの準備が必要
Java Strutsを導入するためには、Java Strutsだけでなく開発環境やソフトウェアの準備をすることが必要になります。
必要になるのは、以下の3つのツールです。
- JDK
Javaでの開発・実行に必要なものがそろっている、無料のJavaソフトウェア開発キット - Eclipse
JavaやC言語、PHPなど、様々な言語での開発に利用できるクロスプラットフォーム対応・無料の統合開発環境 - Tomcat
Webサーバー上でJava ServletやJSPなどを動かし、Javaプログラムを動作させるために必要なクロスプラットフォーム対応・無料のソフトウェア
その他のおすすめJavaフレームワーク
脆弱性などの注意点から現在はあまり使用されていないJava Struts。
そのため、実際の開発の場ではその内容に合わせて異なるフレームワークが使われているでしょう。
よく使われる代表的なJavaフレームワークには、次のようなものがあります。
Spring Framework
現在、世界的に幅広く活用されている注目のJavaフレームワークがSpring Frameworkです。
Webアプリ開発に欲しい機能に幅広く対応している万能なフレームワークで、様々な開発で重宝されているため、スキルを身につければ広く需要が見込まれるでしょう。
Play Framework
Play Frameworkは、Java・Scalaの開発で使用できるフレームワークです。
軽量さと生産性の高さが特徴であり、主に小規模~中規模の開発で使われています。
学習コストも比較的低く、新しめのフレームワークのため、覚えておいても損はないでしょう。
Spark Framework
こちらもPlay Framework同様小規模~中規模の開発で使用されるフレームワークで、そのシンプルさと軽量さが特徴です。
シンプル故に最低限の機能であるため大規模な開発ではあまり用いられませんが、スピード感のある開発が可能になります。
Apache Sparkというフレームワークと名前が似ていますが、別のものですので注意しましょう。
まとめ
今回はJavaフレームワークの中でも歴史が古いフレームワーク、Java Strutsについて、その特徴やその他にもおすすめのフレームワークについて詳しくご紹介しました。
フレームワークは開発効率を高めるために欠かせないものであり、多くの開発現場で活用されています。
身に着けておけば、転職や案件獲得など、実際の仕事でも活かすことができるでしょう。
Java Strutsは現在あまり使用されていませんが、初心者が学ぶにはぴったりのフレームワークです。
まずはStrutsから学び、他のフレームワークも合わせて習得できると良いでしょう。