初心者向けフレームワーク「Struts」とは?その特徴から注意点まで徹底解説!
Javaを習得したいという方、またJavaを習得したばかりの初心者の方にとって、気になるのがJavaのフレームワークではないでしょうか。
Javaフレームワークは様々ありますが、フレームワークに関してもその使い方を学ばなければならず、経験の浅い方にとっては活用が難しいでしょう。
そこで今回は、そんな初心者の方向けの定番Javaフレームワーク、「Struts」について、その特徴や注意点などを解説していきます。
目次
Strutsとは?
Strutsとは冒頭でもご紹介したように、世界的にも多く利用されているプログラミング言語Javaのフレームワークのひとつです。
正式名称をApache Strutsと言い、2001年にStruts1がリリースされた当初は、標準的なフレームワークとして様々な開発に用いられていました。
2007年にはStruts2もリリースされ、現在でもStrutsを採用したシステムの保守案件などが見られます。
フレームワークとは
そもそもフレームワークとは何かというと、開発に必要となる機能をまとめた枠組みのことを指しています。
フレームワークを活用することで、ゼロからのプログラミングの必要がなくなるため、より効率的に開発を行うことができます。
また、複数人の開発でも、同じフレームワークを利用していれば全員が同じようにプログラミングでき、後の機能追加などの際にも操作しやすくなるでしょう。
Strutsは初心者におすすめ
Strutsはシンプルなフレームワークであり、学習コストが低いため、Javaフレームワークの中でも初心者におすすめできるフレームワークだと言えます。
また、後述するMVCモデルを取り入れた先駆けとなるフレームワークであるため、まずStrutsを学ぶことで、今後MVCモデルの様々なフレームワークを習得しやすくなるでしょう。
Strutsの特徴
それでは、本章ではStrutsがどのようなフレームワークなのか、その詳しい特徴を見ていきましょう。
MVCモデル
まずは、先ほどもご紹介したようにMVCモデルを取り入れたフレームワークだということです。
MVC (Model View Controller)とは、開発の際にプログラムを「モデル(Model)」「ビュー(View)」「コントローラー(Controller)」の3つの要素に分割し、役割ごとに開発を行うという概念です。
モデルはシステムの根幹となる部分を、ビューはUIなどの画面を、そしてコントローラーはそれらの制御を担う部分を指しています。
それぞれを分割して考えることで、効率的に開発が行えるだけでなく、バグなどが起こった際に原因を突き止めやすくなります。
そのため大規模な開発で取り入れられており、Struts以外のフレームワークでも多く採用されています。
歴史が古いフレームワークである
2001年にリリースされたStrutsは、歴史が古いフレームワークであることも特徴のひとつです。
歴史が古いということは、それだけ多くの現場で利用されてきたということです。
その分使い方などのドキュメントも多く残されており、その点においても初心者にはおすすめのフレームワークだと言えるでしょう。
生産性が高められる
前述したようにMVCモデルを採用しているため、Strutsは生産性の向上に役立ちます。
特にStruts2では、よりシンプルなコードでの記述が可能になっており、修正などもしやすいこともメリットですね。
Strutsの利用に必要なもの
Strutsの利用には、ただStrutsをインストールすればよいというわけではなく、その他にもいくつか必要なツールやソフトが存在します。
Strutsの利用を始めたいという方は、まず以下のソフトを事前に用意しておきましょう。
JDK
JDK (Java Development Kit)は、Oracle社が無料で提供しているJava開発のためのツールです。
Java開発に必要なコンパイラなどが揃っているもので、フレームワークの利用だけでなくJavaの開発を習得する際にも取り入れておくべきものですね。
初心者でJava開発を仕事に活かしたいという方は、Strutsと合わせて使いこなせるようになっておくと良いでしょう。
Eclipse
Eclipseは、Javaのオープンソフトウェアの統合開発環境です。
統合開発環境とは、開発に必要な様々な環境が集まったものです。
EclipseはJava以外にもRubyやC言語、PHPなどの他の言語でも利用できるもので、さらにクロスプラットフォームに対応しており、利用するOSも問いません。
こちらもJDK同様Java開発を行う上では学んでおきたいツールですね。
様々な言語で使用できるため、複数の言語を習得したいという方にとってもおすすめです。
Tomcat
Tomcatは、正式名称を「Apache Tomcat」と言い、WebサーバーソフトウェアであるApacheに基づいた、サーバー上でJavaサーバレットやJAPを動作させるためのソフトウェアです。
前述の2つと同様オープンソースのソフトウェアのため、気軽にStrutsを利用する環境が整えられますね。
TomcatとJREをインストールすれば、簡易サーバーとして利用することができます。
つまり、自身のパソコンのブラウザから、プログラミングしたJavaプログラムを実行できるということですね。
Tomcatも幅広く使われるソフトウェアのため、使い方を学んでおいて損はないでしょう。
Strutsの注意点
様々な特徴を持ち、幅広く利用されてきたStrutsですが、Strutsには注意すべきポイントもあります。
大きな注意点は、深刻な脆弱性が発見されているということです。
Strutsは日本の大手企業や公的機関でも利用されていましたが、実際にこの脆弱性を突いた攻撃を受けたことにより、情報流出など甚大な被害を生んでいます。
現在も提供されているStruts2では脆弱性は修正されましたが、このことにより現在、Strutsを新規で導入する案件はほぼないと言ってよいでしょう。
近年のJava開発では、シンプルな記述などが特徴のフレームワーク、「Spring Framework」が多く利用されています。
そのため、Strutsのみを習得しても、実際にはそれだけでは業務には活かすことができません。
まず、学びやすく学習コストの低いStrutsでMVCモデルやフレームワークについて理解し、ステップアップしていけると良いですね。
まとめ
今回の記事では、初心者におすすめのJavaフレームワークStrutsについて、その特徴や注意点などを詳しくご紹介しました。
フレームワークは開発効率を高めるために非常に役立つツールであり、実際の開発現場でも多く用いられています。
今後Javaのスキルを活用して仕事をしたいという方は、ぜひStrutsから習得をおすすめします。
脆弱性などの注意点もありますが、学びやすいStrutsの学習から始めることで、MVCモデルの基礎を理解できるというメリットもあるでしょう。
Strutsからフレームワークを理解し、実務につなげていけると良いですね。