インフラエンジニアが「きつい」と言われる理由は?その対処法や仕事の魅力も紹介!

サーバーやネットワークといった、ITに欠かせないインフラを支えるインフラエンジニア。
重要な役割を持つインフラエンジニアですが、そんなインフラエンジニアに興味を持っている方や、インフラエンジニアを目指している方の中には、
「インフラエンジニアはきつい」
という声を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
今回はなぜインフラエンジニアが「きつい」と言われてしまうのか、その理由を、対処法とともにご紹介したいと思います。
インフラエンジニア業務の魅力も合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも「インフラエンジニア」とは?
冒頭でもご紹介したように、インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークなど、ITの基盤となるインフラの設計構築や保守などを行うエンジニア職種です。
インフラエンジニアはインフラを扱うエンジニアの総称であり、扱うインフラによっていくつかに分けることができます。
企業によってはさらに細分化したり、他のエンジニア職種を含むケースもありますが、主なインフラエンジニアの種類は、以下の4つになります。
サーバーエンジニア | Webサーバーなど、様々なサーバーの設計・構築、運用を行うエンジニア |
ネットワークエンジニア | 通信機器など、物理的なネットワーク環境を設計・構築、運用するエンジニア |
データベースエンジニア | データベースを専門に扱い、データベースの設計・構築、管理運用を行うエンジニア |
セキュリティエンジニア | 様々なシステムをサイバー攻撃や不正アクセスから守る、セキュリティ対策を担当するエンジニア |
また、近年ではクラウドサービスが普及していることからサーバーなどのインフラをクラウド上に構築するケースも増加しており、そういったクラウド環境のインフラを担うエンジニアをクラウドエンジニアとして含むこともありますね。
インフラエンジニアの仕事がきついと言われる理由
その業務内容からもわかる通り、インフラエンジニアは企業のITシステムにとっても、私たちが生活の中で当たり前に利用しているインターネットサービスの提供にも欠かせない存在です。
では、なぜそんなインフラエンジニアは、インターネット上などで「きつい」と言われることが多いのでしょうか。
その理由を大まかに4つ、ご紹介します。
夜勤や残業が発生しやすい
まずは、業務の内容的に夜勤や残業が発生しやすいということです。
インフラは企業のシステムそのものや生活に直結しているため、基本的には24時間365日稼働していなければならないことが多く、常に監視業務が発生するため交代で夜勤が発生することもあるでしょう。
サービスを停止している夜間の内にメンテナンスや機器の交換をするといったこともありますね。
また、常に稼働していなければならないため、不具合など何か問題が起きればそれが解決するまで帰れず残業になってしまうということもあり得ます。
人員を増やすなどして勤務時間に影響がないよう工夫をしている企業ももちろん増えてきていますが、大手の企業でなければ担当者が少ないケースもままあり、残業が発生しやすくなるでしょう。
夜勤では生活リズムも崩れやすいため、身体的負担となり「きつい」と言われる理由のひとつですね。
突発的なトラブルに対応しなければならない
夜勤・残業についてでも問題が起きれば解決するまで退社できない、とご説明しましたが、そのトラブルがいつ起きるか分からない、というのもきついポイントだと言われています。
もちろん問題が起きないように綿密に設計が行われていますが、現実問題、トラブルが避けられない場面もあるでしょう。
セキュリティを担当するエンジニアなどは、外部からのハッキングがあれば被害のあるなしに関わらず即座に確認作業が発生する、といったこともあります。
少ない人員で業務を行っている企業では特にですが、急なトラブルに対応するために休日に緊急で出社したり、残業をしたりしなければならないのは、精神的にも身体的にもきつく感じるでしょう。
常に学び続けることが求められる
インフラエンジニアは、サーバーからネットワーク、データベースやセキュリティなど、それぞれ担当する分野の幅広い知識はもちろん、サーバーとネットワークなど、相互に関わり合うことも多いため、ある程度周辺の知識も身につけなければなりません。
また、近年ではクラウドも普及しているため、インフラエンジニアとして活躍するにはクラウドサービスの知識なども必須となるでしょう。
未経験の方が1から始めるにも学習しなくてはいけないことが多くて大変ですが、既にインフラエンジニアとして業務を行っている方も、日々進化し続けるIT業界の最新の知識を常に学び続け、アップデートする向上心が必要になります。
他のエンジニア職種でももちろん同様のことが言えますが、常に勉強することが苦にならない、という方でないときつく感じることもあるかもしれません。
プレッシャーの割には成果が見えづらい
問題が発生すれば企業やサービスを利用するユーザーに大きな影響を与えてしまうため、インフラエンジニアはプレッシャーや責任感を感じやすい職種です。
しかし、プレッシャーの大きさや忙しさに反して分かりやすい成果が見えにくいこともあり、達成感を感じにくいのもきついと感じてしまう点かもしれません。
特に運用・保守の業務では、構築されたインフラを正常に動作するよう保つことが仕事になり、「問題なく動作するのが当たり前」という状態を作り出さなければなりません。
直接的な評価をもらいにくく、ユーザーの満足度もわかりにくいので、モチベーションの維持が課題になってきます。
インフラエンジニアの魅力
ご紹介したように、インフラエンジニアには「きつい」と言われる理由も多くありますが、もちろんインフラエンジニアならではの魅力も多くあります。
本章では、きついだけでないインフラエンジニアの魅力をいくつかご紹介していきます。
学歴関係なくチャンスがある
まず、インフラエンジニアになるには学歴は関係なく、未経験者にも幅広くチャンスがあるということです。
インフラエンジニアに限らずですが、IT関係・エンジニア職種は実力主義であり、学歴よりもスキルなどが重視される傾向にあります。
しっかりと学んでスキルや知識を身に着けることができれば、誰にでも成功のチャンスがあるでしょう。
安定して働くことができる
現代では、あらゆる業界においてITシステムは欠かせないものとなっており、そんなシステムの根幹となるインフラを扱うインフラエンジニアも、需要が無くなるということはないでしょう。
不安なく安定して働くことができるというのは、大きな魅力ではないでしょうか。
スキルを身に着けられる
サーバーやネットワーク、セキュリティといったインフラ知識は、汎用性が高く、転職やキャリアアップの面でも大きく役に立つでしょう。
サーバーエンジニアからネットワークエンジニアなどインフラエンジニア内での担当を変えるような転職の場合はもちろん、他のエンジニア職に転職する際にも有利に働きます。
需要が高く大手で働ける可能性もある
安定した職業であることはご紹介したように、あらゆる業界での需要が高いインフラエンジニアは、スキルがあれば大手企業への転職や、IT業界以外の様々な業界での活躍も期待できるかもしれません。
他職種では大手への就職には学歴などが必要になることもあるかもしれませんが、技術的スキルなどが必要な専門職であるインフラエンジニアなら、インフラエンジニアとしてのスキルや実績を積むことができればチャンスがあるでしょう。
1人で集中して作業できることが多い
例えばシステム開発を行うエンジニアなどでは、チームを組み、コミュニケーションを取りながら複数人で興梠しつつ作業を行うことが多いでしょう。
しかしインフラエンジニアでは、もちろん全体としてはチームでの案件も多くありますが、作業自体は1人で進めることが多くなります。
黙々と1人で作業したいというタイプの方や、複雑な人間関係に悩まず集中して業務を行いたいという方には、インフラエンジニアはおすすめです。
スキルを高めれば高収入が期待できる
インフラエンジニアは、経験を積んだり、スキルを高めることで高収入を目指しやすいことも魅力です。
スキルや実績があれば技術的なスペシャリストやチームを取りまとめるマネージャーへのキャリアアップを目指したり、フリーランスとして独立したりして収入アップを目指すこともできるでしょう。
インフラエンジニアに向いている人の特徴
インフラエンジニアの業務が「きつい」と感じてしまうかどうかには、向き不向きも大いに関係してきます。
インフラエンジニアに向いているのは、以下のような特徴を持つ人です。
・機械に触れるのが好きな人 ・ITに関することに興味がある人 |
まず、インフラエンジニアはエンジニア職種の中でも珍しく、特にサーバーやネットワークなど実際の機器に触れることが多い職種です。
もちろん、設計のためのヒアリングなどトラブル時の状況確認などクライアントやチームメンバーと接する機会もありますが、作業自体は機械相手に行われるため、機械に触れるのが好きで、黙々と作業ができるというタイプの人は向いていると言えるでしょう。
また、例えば近年ではクラウド環境など、進歩し続け、新たな技術が登場し続けるIT業界の中で、常に最新の情報をチェックし、学び続けることはインフラエンジニアにとっては仕事の一環とも言えるでしょう。
そのため、ITに興味があり学ぶことを苦に感じにくいという人、また意欲的で新しいことに前向きに取り組むことができるという人も、「きつい」と感じずに楽しんで仕事ができるかもしれません。
インフラエンジニアの仕事がきついと感じたときの対処法
この記事をご覧の方の中には、実際にインフラエンジニアとして働いており、すでに「きつい」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
また、今後インフラエンジニアを目指している方が、向いていると感じていても実際に働くことでインフラエンジニアの仕事をきついと感じてしまうこともあるでしょう。
ここでは、そういった場合にどのような対処を取ればよいのか、効果的な対処法を3つ、ご紹介します。
(1)担当業務を変える
まずは、担当するインフラを変えてみるということです。
インフラエンジニアは、担当する役割によっても仕事内容や働き方が変化します。
今の担当業務がきつい、と感じた際には別の業務に移行してみると、また異なる環境で新鮮に業務に取り組めるかもしれません。
(2)キャリアアップを目指す
次に、キャリアアップを目指すということです。
そもそも「きつい」と感じやすい夜勤や緊急対応などが発生しやすいのは、運用・保守を行う下流工程を担当する場合です。
下流工程は経験の浅いエンジニアが担当する傾向にあるため、スキルアップしてサーバー、ネットワークの設計・構築を主に行う上流工程に携わるようになると、夜勤や緊急対応も発生しにくく、よりクリエイティブな業務になるため、身体的な負担が減ってやりがいが感じやすくなるでしょう。
キャリアアップし、マネジメントの立場を目指したりといったキャリアパスを目指すことでも、働き方を変えることが可能です。
(3)転職する
もうひとつの対処法としては、転職をすることです。
インフラエンジニアの業務自体に不安を感じる場合は他のエンジニア職種などへの転職を視野に入れなければいけないかもしれませんが、仕事内容自体は好きだけど、働き方に不満や限界を感じる……といった場合は、人員数や分担の仕方の異なる別の企業への転職を考えましょう。
ワークライフバランスをより重視する方は、ある程度のスキルを得たら独立して、自ら案件をこなすフリーランスのインフラエンジニアとして働くのもおすすめです。
転職を成功させるためのポイント
環境を変えるために別の企業への転職を目指しているという方は、次のようなポイントを意識しておくと転職を成功させやすくなるでしょう。
◯転職先の環境を確認する
まず、転職先の環境が現在「きつい」と感じる点を改善できるものかどうか事前に確認しましょう。
福利厚生や残業・休日出勤の発生状況など、できれば現場で実際に働く人や口コミなどからリアルな状況を確認できると良いですね。
夜勤がきつかったという人は、夜勤の交代体制なども確認しておきましょう。
◯資格を取得する
資格は必須というわけではありませんが、転職を有利に進めるためには取得しておくのがおすすめです。
企業によっては資格手当などがある場合もあり、収入の面でもプラスに働くでしょう。
資格は担当する分野ごとに様々ありますので、まずは自分のスキルレベルに合わせて取得を目指しましょう。
近年では、クラウド関連の資格があるとより需要の高いインフラエンジニアになることができます。
◯転職エージェントなどを利用する
より希望に合った企業を見つけたいという方は、転職エージェントに相談するのもおすすめです。
自身で転職先の環境を確認するには難しいこともありますので、エージェントを利用することで条件の良い企業を見つけられる可能性が高くなります。
まとめ
今回の記事では、なぜインフラエンジニアが「きつい」と言われるのか、その理由や対処法、魅力までを詳しくご説明しました。
確かにきつい点も多くありますが、勤める企業や担当業務など働く環境によって、その負担も異なってきます。
ITインフラを支える重要な職種であるインフラエンジニアには、魅力も多くあります。
安定した需要を求める方などは、ゆくゆくはフリーランスを目標にするなど自分に合った環境を吟味した上で、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。