ActiveDirectoryとは?副業にも使える?できることやメリットも

自社システムの管理者の強い味方ともいえる、ユーザーの一元管理などを行える機能、ActiveDirectoryはご存じでしょうか?
近年様々な組織や企業で用いられており、興味はあったけれど詳しく知らない……という方も多いでしょう。
そこで今回は、ActiveDirectoryとは何か、その概要や導入のメリット・デメリット、さらに副業など、ActiveDirectoryは知識やスキルとしても活用できるかまでご紹介していきます。
目次
ActiveDirectory とは?
Active Directoryとは、Windows Serverに導入されている機能のひとつで、システム管理者が組織のユーザーやデバイスなどを管理するために活用できるものです。
Windows 2000から標準機能として導入されており、ソフトをインストールする必要なく使用できます。
当初は専用のサーバーが必要でしたが、近年ではAzure Active Directoryとしてクラウド環境でも手軽に利用が可能ですね。
20年以上の歴史の中でバージョンアップを重ねており、現代でも官公庁や企業など、様々な組織で用いられています。
ActiveDirectoryでできること
それでは、 Active Directoryを使用することで具体的にはどのようなことが可能になるのでしょうか。
ID・パスワードの一元管理
まずはじめに挙げられるのが、ユーザー管理のためのID・パスワードの一元管理です。
Active Directoryの導入以前はサーバーごとにそれぞれIDやパスワードを管理する必要がありましたが、 Active Directoryがあればそれらをまとめて管理することが可能です。
個別管理の必要がなくなり、不正アクセスなどのリスクも軽減することができるでしょう。
また組織内のコンピュータやデバイスも管理が可能です。
企業の業務用PCの環境をまとめて整えたり、一括で必要なツールを配布したりと、効率的に管理でき時間やコストの削減にもつながるでしょう。
アクセス制御
アクセス権限に関しても細かく管理できるため、セキュリティ面でも安心です。
重要なデータを特定のユーザーのみがアクセスできるようにしたりといったシステムが可能になり、これにより情報漏洩や不正アクセスのリスクを抑えることができるでしょう。
逆に外部からデバイスを持ち込んだ場合、社内のネットワークを使ってもファイルにはアクセスできないようにする、といったことも可能です。
操作ログの保存管理と閲覧
Active Directoryの操作は、すべてその操作ログを保存し、管理して、後で閲覧することができます。
アクセス権限の変更など、すべてのログを保存できるため、サイバー攻撃などトラブルが万が一起こった場合に原因を発見しやすくなるでしょう。
ActiveDirectory 導入のメリット・デメリット
便利なActive Directoryですが、導入・活用することには、次のような様々なメリットやデメリットがあります。
メリット
ActiveDirectory 導入のメリットとして主に挙げられるのは、一元管理によりシステム管理者が大幅に負担を減らすことができること、また、セキュリティ面の強化に役立つことです。
管理者の負担が減ることは、人件費などコストの削減にもつながるでしょう。
また、Active Directoryは拡張性が高く、企業が成長し例えば新しい支社ができた、という場合でも、追加のドメインやアカウントを簡単に設定することが可能です。
組織が大きくなっても、柔軟に対応できるということですね。
デメリット
大きなメリットの反面、気になるのがデメリットですね。
デメリットとして挙げられるのは、
- コスト
- 専門知識が必要
- Active Directory自体の維持管理業務の発生
などですね。
特にActive Directoryの専門知識は運用には必須で、知識がないまま使ってしまえば、逆にミスからシステム全体に影響してしまう可能性もあるでしょう。
また、定期的なアップデートやバックアップなどActive Directoryそのものの維持管理が必要になり、そこでも知識と人員は必要になるでしょう。
ActiveDirectory を使用する際の注意点
デメリットも関連しますが、Active Directoryを効率的に使用するためには、以下のポイントを抑えておくことをおすすめします。
サーバーの多重化が推奨
運用時には、もしサーバーが1つ障害発生してしまっても他のサーバーで代替できるよう、サーバーの多重化が推奨されています。
いざという時に、業務を停止せずに障害の対応が可能になるでしょう。
運用にはルールを定める
従業員の退職や入社など、ユーザーやデバイスの情報は変動しやすいものです。
例えば退職時にはセキュリティ面を鑑みてすぐにアカウントを無効化するなど、運用時には明確なルールを設けるとよいでしょう。
対応が適当になってしまうとセキュリティリスクを上げてしまいかねません。
ActiveDirectory は副業にも使える?
ActiveDirectoryは企業での需要は非常に高いですが、前述したように専門知識が必要になります。
そのため、スキルがあれば副業でもActiveDirectory の知識を活かして案件をこなすことが可能になるでしょう。
フリーランス案件ではありますが、実際にエンジニアルートに掲載されている案件の中で、ActiveDirectory のスキルが関連する案件例を見ていきましょう。
仕事内容 | システム更改に伴う端末AP開発 |
単価 | 60万円 |
必須スキル | C++開発経験3年以上 |
あると良いスキル | Active Directory連携でのユーザ認証、アクセス権限取得 |
企業においてもActiveDirectoryスキルのある人員の価値は高く、中にはシステム管理者としてActiveDirectoryでのインフラの管理や保守業務を行う案件やActiveDirectoryの設計構築などの案件もあります。
しかしその他にも様々なスキルを要するものがあり、ActiveDirectoryのスキルのみで安定的に案件を獲得するのは案件数やスキルレベルを考えると難しいかもしれません。
ActiveDirectoryの副業に興味があるという方は、まずはインフラ知識、また近年普及しているクラウド環境など、関連する技術を学ぶのが良いでしょう。
幅広いスキルがあれば、それだけ幅広く案件に挑戦することができますね。
まとめ
今回の記事では、Windows Server の機能のひとつであるActiveDirectory について、その概要やメリットデメリット、注意点まで詳しくご紹介しました。
Active Directory はコスト削減や効率化、セキュリティなどメリットが大きく様々な企業でも導入される技術ですが、導入時には専門知識を持った人員が必要です。
スキルをしっかりと磨けば、導入時のコンサルティングなどを請け負うこともできるでしょう。
Active Directory を副業に活かしたいという方は、より専門的な知識やスキルを身に着けることも目指してみてはいかがでしょうか。