COBOLエンジニアの気になる年収は?年収アップのコツや案件獲得に必要なスキル
事務処理用のプログラミング言語として開発され、初心者にも習得しやすいCOBOL。
そんなCOBOLをメインに扱うCOBOLエンジニアに興味がある方やCOBOLエンジニアとして働いており、収入面が気になっているというエンジニアの方の中には、「COBOLエンジニアの年収はどのくらいが平均なのだろう?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
今回はそういった方に向けて、COBOLエンジニアの気になる平均年収や年収アップのコツをご紹介していきます。
目次
COBOLエンジニアとは?
COBOLは、正式名称を「Common Business Oriented Language(共通事務処理用言語)」と言い、1959年にアメリカで事務処理向けに開発されたプログラミング言語です。
人間の文法に近い可読性の高さと事務処理に向く高速処理・計算処理能力の高さ、高い信頼性などが特徴で、その開発の背景にもあるように事務処理系のシステムで多く用いられています。
また、シンプルで読みやすい構文のため、初心者にも習得しやすいと言われていますね。
そんなCOBOLをメインに使用し、業務システムや業務系アプリなどの開発を行うのがCOBOLエンジニアです。
信頼性・堅牢性の高さや長い歴史から、金融機関や保険会社、また官公庁など、安定したシステムを求める業界での開発や運用保守、またシステム移行などの業務が多くあります。
COBOLエンジニアの平均年収
それでは早速、そんなCOBOLエンジニアの年収について見ていきましょう。
COBOLエンジニアの平均年収は、会社員のCOBOLエンジニアで約400〜500万円ほどだとされています。
経験年数などによって上下するため、20代のエンジニアでは300〜400万円ほどが平均ですが、50代以上のエンジニアでは平均年収も700万円を超えると言われています。
フリーランスのCOBOLエンジニアでは、案件の単価相場が約50〜60万円になります。
実際にエンジニアルートに掲載されている案件でも、同程度の物が多く見受けられます。
フリーランスCOBOLエンジニア全体の平均年収としても会社員よりも高い収入が見込めますが、高いスキルや経験があれば高単価案件にも参画できるため、中には年収1,000万円を超えるエンジニアもいるでしょう。
COBOLエンジニアの将来性は?
特にフリーランスでは高い収入も見込めるCOBOLエンジニアですが、その将来性はどうなのでしょうか。
COBOLは歴史のある言語のため、Javaなどの言語の登場により廃れてしまうといった意見もあります。
確かにJavaへのシステム移行なども増加していますが、前述した通りCOBOLの需要は安定した運用が求められる大規模なシステムにあり、こういったシステムでは移行に消極的な場合が多いでしょう。
そのため、新規の開発案件が少なくなる可能性はありますが、保守案件などは今後も安定的に発生することが考えられます。
古い言語であるため新たに学習する人材が少ないこともあり若手人材も不足しているため、習得することで仕事の幅を広げられるかもしれません。
COBOL案件獲得に必要なスキル
COBOLでのシステム開発などに携わるCOBOLエンジニアですが、COBOLだけを習得すればエンジニアとして活躍できるというわけではありません。
COBOLエンジニアとして幅広く経験を積んだり、フリーランスのCOBOLエンジニアとして案件を獲得したりするには、様々なスキルが必要になります。
オープン系言語のプログラミングスキル
歴史の長いCOBOLでは前述したように新規の開発案件は少なくなっています。
その反面大規模なシステムの移行は行われにくいですが、オブジェクト指向言語への移行の流れも強まっており、安定性を最も重視する分野や企業以外では、移行案件も増加しています。
COBOLにより開発されたシステムをJavaやRubyといったオープン系言語に移行するという案件も多く見られ、COBOLのスキルとともにこれらの移行先の言語に関しても理解しておくと、より仕事の幅を広げることができます。
業務知識や周辺技術に関する知識
COBOLを利用したシステムには金融業界や保険、官公庁などの行政機関などの業務システムも多く、大規模なものであるため全体の業務にも影響を与えます。
扱う情報も繊細であるため、その業界の業務やルールに関する知識があるとより重宝されるでしょう。
また、大規模なシステムはOSやハードウェア、データベースなどとも関わりが深く、COBOLだけでなく周辺の技術の知識を深めることで業務範囲を広げることができます。
コミュニケーションスキル
プロジェクトは、基本的にチームで協力して進めることになります。
COBOL案件に多い大規模なシステムでは特に、様々な部署の人たちやクライアントと意思の疎通を図りながらプロジェクトをスムーズに進める必要があり、そのためにはコミュニケーションを取り合うことが欠かせません。
COBOLエンジニアの年収アップのコツ
COBOLエンジニアが高収入を目指したいという場合、方法としては主に
- COBOLエンジニアとしてキャリアアップを目指す
- 独立してフリーランスのCOBOLエンジニアを目指す
という2つがあります。
それらを目指すためには、次のようなポイントを意識していきましょう。
上流工程を目指す
エンジニア業務では、実際の開発や運用・保守などを行う工程を「下流工程」、開発のための要件定義や設計を行う工程を「上流工程」と呼びます。
基本的にスキルを求められる上流工程では経験豊富なエンジニアが担当することが多いため、上流工程の業務が行えるようになれば会社員エンジニアとしても、フリーランスのCOBOLエンジニアとしても収入アップにつなげられるでしょう。
マネジメントスキルを身に着ける
マネジメントスキルを身に着け、プロジェクトマネージャーとしてのプロジェクトへの参画を目指すという方法もあります。
特にCOBOLは歴史の古い言語である分、扱うエンジニアも経験豊富であると考えられ、マネジメントスキルを期待されることもあるでしょう。
技術的なスキルに加えてマネジメントができるようになれば、市場価値の高いエンジニアになることができます。
その他の言語も身に着ける
業務系システムの開発に用いられるCOBOLを扱うCOBOLエンジニアは、案件によっては他のプログラミング言語での開発スキルを求められることも多いでしょう。
例えば前述したJavaや、VB・VB.NETなどが併用されて構築されているシステムも多く、これらのスキルがあれば、より幅広く高単価の案件などを獲得しやすくなります。
COBOLは新規開発案件が減少していくことも考えられるため、他の言語のスキルがあることは将来性を高める意味でも役立つでしょう。
まとめ
今回の記事では、業務システム開発に使用される事務処理用言語COBOLを扱う、COBOLエンジニアの年収について、平均年収や必要なスキル、収入アップのコツなどを詳しくご紹介しました。
年収アップを目指すためには、高いスキルを身に着け、経験を積むことが重要です。
また、COBOLだけではなく新たなスキルを学ぶことも、エンジニアとして市場価値を高めることにつながるでしょう。
本記事を参考に意欲的に学習を続け、将来性の高いエンジニアを目指しましょう。