エンジニアのスキルマップとは?導入のメリットと作成方法も!

エンジニアとして働く中で、それぞれ将来的にどんなエンジニアになりたいのか、漠然と思い描いている方も多いのではないかと思います。
しかし、エンジニアとしての将来を考えるうえで、どんなキャリアパスを描いていけばよいのか、どのようなスキルが必要なのか、具体的にどうすれば良いか分からないという方もいるのではないでしょうか。
エンジニアのキャリアパスを明確にするために重要なのが、スキルマップです。
今回はこのスキルマップについて、その概要や作成方法などをご紹介したいと思います。
目次
スキルマップとは?

スキルマップとは、エンジニアが現在持っているスキルや経験を整理し、可視化するために作成されるツールです。
スキルマップは、個人で利用するものとチームメンバーのスキルを把握するなどの管理用のものの2種類があります。
スキルマップを作成することで、自身がどんなスキルを持っているか、今後必要なスキルは何かを把握し整理することで、自身のキャリアパスや足りないスキルを明確にできるほか、企業においても人材を配置する際の参考にしたり、人材育成を効率化したりすることに利用できます。
スキルマップを作成するメリット
スキルマップを作成することには、個人においてもチームにおいても様々なメリットがあります。
主なメリットを3つ、ご紹介します。
スキルを可視化できる
まずは、前述したように個人の持つスキルや足りないスキルを可視化できるということです。
個人にとっても、スキルが一目でわかることで今の自分にどんなことができるか、何が足りないかを明確に理解し効率的なスキルアップに臨めます。
道筋が描きやすいため、学習の計画も立てやすくなるでしょう。
企業など組織においても、プロジェクトメンバーの選出や配置、また育成の計画を立てるうえでも役立ちますね。
モチベーションアップにつながる
スキルマップは、成長とともに更新されていきます。
単純に目指すキャリアまでの道のりが分かりやすく、近く感じることも要因のひとつですが、成長が目に見えることもモチベーションアップにつながります。
組織においても、明確な評価基準のもとに評価されるため競争意識が沸き、モチベーションが高まるでしょう。
プロジェクトメンバーの管理に役立つ
メンバーの選出・配置後も、スキルマップはプロジェクトメンバーの管理にも役立ちます。
メンバーのスキルが一覧として分かることで、プロジェクトのスケジュール管理や見通しを立てる材料にすることができます。
プロジェクト中にも適宜スキルの更新を行うことで、都度スケジュールを見直すことも効率的にできるようになるでしょう。
スキルマップの具体的な作成方法

それでは、スキルマップを実際に作成するにはどうすれば良いのでしょうか。
具体的な作成方法を、ステップごとに分けてご紹介していきます。
STEP0:今後の方向性と現状の理解
まずは、実際にスキルマップの作成に入る前にエンジニアとして今後どのような方向性に行きたいかと、現状の自分のスキルや経験について把握しておくことが重要です。
エンジニアには、様々なキャリアパスがあります。
例えば今後Webサービスの開発に携わりたければWeb開発向けのプログラミング言語が必要であったり、上流工程に携わるエンジニアになりたければ設計などのスキルが必要であるなど、それぞれ目指す方向性によって必要なスキルにも違いがあります。
事前に方向性を明確にすることで、スキルマップに記載すべきスキルや自身の現状との距離が分かり、スキルマップ作成時に必要な情報を整理できます。
STEP1:表計算ソフトを利用する
スキルマップの作成には、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを利用するのがおすすめです。
チームのスキルマップを作成する際は、まず1列目にエンジニアの名前を入力し、一覧で見られるようにしましょう。
STEP2:必要なスキルを項目化する
次に、名前列の次列からスキルを入力し項目化していきます。
個人で作成する場合には、事前に整理した自身の目指す方向性に必要なスキルを項目として記入しましょう。
プロジェクトのメンバー管理で利用する場合には、企業やそのプロジェクトにおいて必要となる要素を項目として策定します。
事前にそれらの項目が必要となる理由やスキルマップを作成する目的をチームメンバーに共有しておくこともおすすめします。
STEP3:評価の基準を決める
次に、評価の基準を決定します。
5段階評価などレベル分けをして、例えばレベル1ではサポートが必要なレベル、教育ができるレベルになればレベル4など、明確な基準を設けるのが良いですね。
また、コミュニケーションスキルやリーダーシップなど技術的でないものはレベル分けしにくいこともあるでしょう。
そういった場合には◯や△などの記号にするなど、適宜分かりやすく工夫することが大切です。
STEP4:実際に評価を入力し可視化する
基準が決まれば、実際に評価を入力していきます。
個人では客観的に判断した現状をもとにした評価を、チームの場合は公平に判断できるよう上司が基準に則って評価したり、本人との面談や自己申告によって決定するのが良いですね。
スキルマップはエンジニアとして優劣を決めるものではなく、管理や成長に役立てるものであることを念頭に置いて作成しましょう。
STEP5:評価や内容を適宜更新する
スキル項目の追加や評価基準などは、状況に合わせて適宜更新していきましょう。
スキルマップは作成するだけではなく、業務に活用することが重要です。
スキルの評価に関しても定期的に更新し、リアルタイムの内容を記載することでより精度が高く、活用しやすいマップができます。
スキルマップ作成のポイント

より効果的に活用するために、スキルマップ作成時には以下のようなポイントに注意しましょう。
- 1人の評価に依存しない
- スキルは具体的に項目化する
- 定期的に更新する
作成方法でも触れたように、スキルマップはエンジニアとしての優劣を決めるものではありません。
そのため、より客観的な視点で精度を高く評価できるよう、自分自身1人や上司が1人で決めるといったことが無いように注意し、複数の意見を総合して評価を決定することを心がけましょう。
精度を高めるという意味では、定期的な更新も重要です。
また、スキル項目を具体的にすることも重要です。
例えばコミュニケーションスキルをひとくくりにするのではなく、チーム内でのコミュニケーションとクライアントとのコミュニケーションに分けて評価するなど、より具体的に、細かく分けて評価していくことでより的確にスキルを把握することができるでしょう。
評価に関しても同様で、細かすぎると点数がつけにくく、区分が少ないと線引きが曖昧になってしまうため、明確かつ点数が付けやすい程度のレベル分けにするといった工夫が求められますね。
まとめ
今回はエンジニアのキャリアパス形成やスキルアップに役立つスキルマップについて、そのメリットや詳しい作成方法までをご紹介しました。
スキルマップは、個人においても組織においてもスキルを可視化し、プロジェクトの効率化やエンジニアとしてのキャリアアップにつながるメリットがあります。
エンジニアとしてさらに成長したい方、キャリアパスに向けてどうすればよいのか分からないという方は、ぜひ作成してみてはいかがでしょうか。