開発ディレクターとは?仕事内容から求められる5つのスキルまで

IT開発の場でよく耳にする役割のひとつ、『開発ディレクター』ですが、実際にどんな役割を持ち、どのような仕事内容なのか知らないという方もいるのではないでしょうか。
特にキャリアアップやキャリアチェンジを考えているエンジニアの方は、開発ディレクターの仕事を知ることで今後のキャリアパスに役立てられるかもしれません。
今回はそんな開発ディレクターの概要や仕事内容、求められるスキルなどを詳しくご紹介したいと思います。
目次
1. 開発ディレクターとは?

開発ディレクターとは、アプリケーションやWebサイト、ソフトウェアなどの開発の場においてチームを統括し、指揮を取る人材のことを指します。
エンジニアやデザイナーなどの開発チームのメンバーをディレクターとしてまとめあげ、開発がスムーズに進行するよう尽力します。
1-1. 開発ディレクターとプロジェクトマネージャー(PM)の違い
開発ディレクターと混同されやすい職種に、プロジェクトマネージャーがあります。
この2つの役割の違いとしては、開発ディレクターは自分の開発チームのみをまとめる役割なのに対し、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を管理しプロジェクトの成功を目指す役割であることです。
開発ディレクターは数人で構成された特定の開発チームの指揮をとります。
プロジェクトマネージャーがその複数ある開発チームを統括し、プロジェクト全体の様々な管理を行うということですね。
小規模な開発においては、開発ディレクターがプロジェクトマネージャー的な役割をすることもあります。
2. 開発ディレクターの仕事内容
ではそんな開発ディレクターの仕事はどのようなものか、詳しい仕事内容を見ていきましょう。
2-1. 開発手法の提案
まずは、クライアントにどのような開発手法で進めていくのかを提案することです。
案件にもよりますが、クライアントは専門的な知識がないという場合も多くあります。
だからといってどのような手法を取るかという説明を怠ってしまうと、後にトラブルになってしまいかねません。
まずはチームメンバーの意見を集めて提案をまとめ、クライアントへと詳しい説明を行って合意を得るところから開発はスタートします。
合意内容は文書に起こし、あとで問題にならないようにすることも大切ですね。
2-2. 開発スケジュールの管理
開発チームのリーダーである開発ディレクターにとって、開発スケジュールを適切に管理し納期までに問題なく納品できるようにすることも重要な業務です。
大規模なプロジェクトでは1チームの遅れがプロジェクト全体に影響を与えてしまいます。
そのようなことにならないよう、事前に決められた開発スケジュールに則って毎日欠かさず進捗状況をチェックし、遅れがある場合は改善策を立てるなどして、状況が悪化しないように対応します。
2-3. 開発リソースの管理
スケジュール管理とともに、効率的に開発が行えるよう開発スペースやデバイス、また開発を行う人員などの開発リソースの管理も行います。
人員は足りているのか、パソコンなどの開発に利用するデバイスは足りているのか、などをスケジュールを見ながら判断し、不足しそうであればプロジェクトマネージャーへと相談するなどして効率よく開発できるように努めます。
場合によってはクライアントの機器などを借りることもあるので、紛失などしないように機器の管理にも責任を持ちます。
2-4. クライアントへの定期報告
開発ディレクターは定期的にクライアントに進捗などの状況を報告する役割も担います。
プロジェクト全体についてのコミュニケーションはプロジェクトマネージャーが行うため開発に携わるクライアント側の人員への報告に限られますが、開発がスケジュール通りに進んでいるかどうか、遅れや問題がある場合はどのような解決策をとるかなどをクライアントへ共有します。
2-5. 仕様確認・決定
開発チームのメンバーからの提案をチェックし、仕様の承認を行うのも開発ディレクターの仕事のひとつです。
承認した仕様を落とし込んだ仕様書を作成し、それをクライアントに説明するまでが仕様決定の流れになりますね。
プロジェクトが大規模な場合は開発ディレクターが確認・承認した後にプロジェクトマネージャーの承認を得ることが必要になるケースもあります。
また、社内でドキュメントの作成を行う場合でも作成者がクライアントにそのまま送ることはなく、まず開発ディレクターが確認・承認するというのが一般的です。
2-6. 品質管理
開発したものの品質を管理するのも重要な業務です。
担当する開発チーム内での品質管理に責任を持ち、品質を担保するためにテストの評価などを行います。
開発メンバーへテストの内容の確認をし、テストに問題がないか、正しく実施されているかなどを評価します。
問題点があれば修正を行うのも大切ですね。
社内作成したドキュメントのルール策定や誤字脱字の指導をし、品質を統一するのも開発ディレクターが担います。
3. 開発ディレクターに求められる5つのスキル

開発ディレクターとして開発チームをまとめるためには、主に次の5つのスキルが必要になります。
プログラミングスキル
まずはプログラミングのスキルです。
開発ディレクターは開発チームの指揮を行う立場です。
自身もプログラミングのスキルがなければメンバーの業務を把握し、管理することはできません。
プロジェクトによっては自身もコーディング業務そのものに携わったりサポートしたりすることもあります。
実際に開発を行うエンジニア以上に、深い経験と多様なプログラミングスキルが必要になりますね。
コミュニケーションスキル
開発をスムーズに行うためにはコミュニケーションスキルも必須です。
エンジニアやデザイナーなど複数人でチームとして開発する上で、意見をまとめてスムーズに開発を進めるためには高いコミュニケーション能力が求められます。
チーム内だけでなくヒアリングや進捗報告など、クライアントとのコミュニケーションも大事になりますね。
マネジメント能力
開発ディレクターにはマネジメント能力も欠かせません。
納期までの時間や予算、人員などのリソースが限られている中でクオリティの高いものを作り出すには、タスクやリソース、スケジュールを綿密に管理しなければなりません。
経験を積み、高いマネジメント能力を身に着けましょう。
プレゼンスキル
開発手法をクライアントに提案し同意を得る場面でもプレゼンスキルは重要ですが、中には開発したWebアプリやサイトなど、チームの成果物の売り込みをするケースもあります。
その場合、開発ディレクターのプレゼンスキルが評価に大きく関わります。
外部に対してアピールする能力も求められるということですね。
交渉力
クライアントに新たな提案をし納得してもらうことや、進捗状況が悪い、トラブルが発生したなどでスケジュール調整などの解決策を提示し同意してもらうなど、開発ディレクターには交渉力も必要です。
そのためにはコミュニケーションやプレゼンテーションのスキルとも関わりますが、チームの意見を正確に分かりやすく伝えるということが大切になりますね。
開発ディレクターに関するよくある質問


開発ディレクターとは、Webアプリなどの開発の場において複数人で構成された開発チームの指揮を行う職種です。


開発ディレクターの仕事は、チームが担当する開発の納期や人員などを管理し、開発をスムーズに進めることです。


開発ディレクターにはプログラミングスキルはもちろん、コミュニケーション能力やマネジメント能力など、様々なスキルが求められます。