フリーランスエンジニアの単価交渉術!適切なタイミングと成功のコツもご紹介

フリーランスエンジニアとして働く上で、収入を安定させるために単価は非常に重要ですよね。
会社員のように給与ではなく、報酬という形で収入を得るフリーランスエンジニアは、単価交渉を行うことで収入をアップさせることが可能です。
しかし、実際に現在フリーランスエンジニアとして働く中で、
「そろそろ単価をアップさせたいな……」
と思いながらも、単価交渉のやり方が分からず上げられずにいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそういった方に向けて、フリーランスエンジニアの単価交渉術を、成功のコツやタイミングもあわせて解説していきます。
目次
フリーランスエンジニアには単価交渉が重要!
冒頭でも述べたように、契約によって成果物や決められた期間技術を提供することの報酬として収入を得ているフリーランスエンジニアにとって、その案件ごとの単価は収入に直結する大切なものです。
特に継続的な案件など、クライアントとの単価の交渉ももちろん自身で行うことになりますが、フリーランスエンジニアが高収入を得たり、安定して仕事を行っていくためには、この単価交渉が非常に重要になるのです。
なぜ単価交渉が重要なのかは、以下でご説明していきます。
請け負える案件数に限りがあるため
基本的に1人で仕事を行うフリーランスエンジニアは、請け負える案件の数には限りがあります。
生活のためや稼ぎたいという思いから無理に多くの案件を取っても、自分の健康はもちろん、成果物のクオリティや納期にまで影響が出てしまうでしょう。
単価が高ければ無理に案件数をこなさなくても収入を得ることができるようになるため、交渉で単価を上げることが重要になるということです。
収入の安定性を確保するため
フリーランスエンジニアは、会社員とは違って収入が不安定になりがちです。
案件が獲得できるかどうかや単価で収入が上下するのはもちろん、景気の変動や取引先企業の経営悪化などの影響を受けやすく、仕事がいつ途切れるか分からないということもあるでしょう。
単価交渉を適切に行えるようになり、高単価の案件を複数持っているという状態を作ることができれば、そういったリスクをできる限り減らすことができます。
適切な報酬額で働くため
特に実績の無い駆け出しの時には、とにかく案件を受注しなければと安い単価で不利な条件でも仕方ないと契約をしてしまいがちになります。
しかし、働いてるうちに実績やスキルは身についていきます。
高いスキルがあり、クオリティも十分なものを納品できるのに、スキルや実績に見合わない報酬で契約する必要はありません。
適切な条件で働くためにも、交渉はしっかり行いましょう。
単価交渉に失敗する理由
単価交渉は、適切に行わなければ失敗してしまうこともあり得ます。
まずは失敗するのはどんなケースなのか、失敗する理由を理解しておきましょう。
予算に限界がある
まず、そもそもクライアント側やプロジェクトの予算に限界があるため、単価を上げる余裕がなく交渉に応じてもらえない場合があります。
プロジェクトの予算は人件費なども含め事前に割り振られることが多いため、プロジェクトの進行中は仕様の変更など予算が突然プラスで必要になることも考えられ、報酬に予算を割きにくいということがあるでしょう。
単価交渉はクライアントの状況も確認しつつ行う必要がありますね。
適切でない金額を提示してしまった
スキルや業務内容、実績に見合わない額を提示してしまうということも、単価交渉が失敗する大きな要因のひとつです。
単価交渉のやり方やコツとしてもこの後ご紹介しますが、同じような案件の相場を確認するなど適正価格を理解して常識的な範囲の交渉を行いましょう。
信頼関係が構築できていない
クライアントとの信頼関係ができておらず、報酬に見合った仕事を任せるだけの信頼や実績がないと判断されれば、交渉はまとまらないこともあるでしょう。
案件に参加したばかりなど、付き合いが浅く交渉材料に欠けているのに単価交渉をしてしまうといったことがないように注意しましょう。
フリーランスエンジニアが単価交渉を成功させるコツ
それでは、失敗してしまいやすいケースを避け、単価交渉を成功させるためにはどうしたら良いのでしょうか。
単価交渉を成功させるためのコツを見ていきましょう。
クライアントと信頼関係を築く
まず第一に、クライアントとの信頼関係を築くことは非常に重要です。
まだ案件を任されて日が浅かったり、納期を守らないことがあったりするエンジニアに単価を上げてほしいと言われても、クライアントは納得できませんよね。
任された仕事を全力でこなすことや学ぶ姿勢など普段から誠実に業務を行い、それをより長く続けることで、クライアントとの信頼関係をきちんと構築しておきましょう。
もちろん、納期をしっかりと守る、メールなどのレスポンスを素早く丁寧に行うといった当たり前のことも、疎かにしないようにしましょう。
スキルアップを目指す
単価交渉の有効な材料とするため、スキルアップは常に目指しておきましょう。
例えば業務で使える新たな言語を習得したり、その分野の資格を取得したりすることで、担当できる仕事の幅も広がるため、クライアントも新たな仕事を任せられるとして単価を上げる理由になります。
スキルアップははじめから高単価の案件を受注するにも役立ちますので、高収入を目指すフリーランスエンジニアには必須ともいえます。
案件をこなしながら、学習は怠らないようにしましょう。
適正価格を理解する
失敗するケースでもご紹介したように、適正価格を理解せずただ自分の希望する単価を提示しても、交渉は通りません。
高い単価を希望するには、それなりの根拠が必要となるでしょう。
同職種や同じスキルを用いる他の案件とも比較し、単価相場を理解したうえで適正価格を提示しましょう。
タイミングを見極める
自身のスキルや相場とともに、単価交渉において重要になるのが単価交渉を行うタイミングです。
例えば前述したような予算の決まっているプロジェクトの最中や、更新後など契約を行った直後、業務のパフォーマンスにそれほど成果が出ていないときなど、タイミングを間違えてしまうと単価交渉は成功しにくいでしょう。
タイミングを誤り交渉が失敗すればクライアントとの信頼にも影響しかねません。
5章にて適切なタイミングについてもご紹介しますので、それらを参考にタイミングは慎重に見極めましょう。
フリーランスエンジニアの単価交渉のやり方3STEP
成功のコツを理解したところで、実際にどのように単価交渉を進めればよいのか、3つのSTEPに分けてその流れをご紹介します。
STEP1:付加価値となる交渉材料を揃える
ただ単価を上げたいからといって、なんの根拠もなく闇雲に単価交渉を行ってもクライアントに納得してもらうことはできません。
まずは、交渉に必要な材料となるものを用意しましょう。
単価交渉でクライアントにとって付加価値となるものは、「スキル」「実績」「仕事に対する姿勢と信頼」です。
特に、スキルや実績は必須と言えるでしょう。
自分の持つスキルを把握し書き出してみることや、より具体的な実績の提示が必要になります。
例えば、「自分がこれまでに開発してきたもので売上をこれだけ向上させた」や、「自分が開発したものを導入することで生産性がこれだけ向上した」など、具体的な数字や資料を交えて説得力のある材料を用意しましょう。
また、コツの面でもご紹介したように、クライアントとの信頼関係は重要です。
仕事に取り組む姿勢を言語化することや、普段から信頼を積み上げておくことが大切ですね。
STEP2:希望単価を決定する
交渉材料が揃ったら、それに合わせて最低希望単価を決めておきます。
自分のスキルや実績、クライアントとの関係値も加味して単価相場を参考にしたり、他社の同様の案件の相場を参考にしたりして適切な額を決めましょう。
どの程度にして良いか決めかねる場合は、同じフリーランスエンジニアの知り合いに相談してみても良いかもしれませんね。
STEP3:理由と材料を添えて希望単価を提案する
クライアントと交渉を行う準備ができたら、いよいよ提案の段階に入ります。
提案で重要なのは、用意した交渉材料を上手くアピールできるかどうかです。
スキルや実績が分かりやすく伝わるよう、資料を準備したりしてより具体的に提案しましょう。
アピールできる実績が少ないという場合には、納品の速度や仕事の姿勢など、別の角度から強みを見つけて伝えることが大事になります。
また、交渉材料となる付加価値を伝えるのと同時に、決めておいた希望単価もしっかりと提示しましょう。
ここでも、適切な単価であることを伝えるために他社の案件相場などの資料を用意しておくと、クライアントも検討しやすくなります。
もちろん、単価交渉にはクライアントとなる企業の経営などクライアント側の事情も関わってきます。
日頃からコミュニケーションを取り、そういった状況も把握した上で、クライアントとの信頼関係を悪化させてしまわないように注意して交渉を行いましょう。
単価交渉をする適切なタイミングは?
ここまで、単価交渉のやり方をご説明しました。
しかし、「やり方は分かったけれど交渉はいつ行えば良いのだろう?」と疑問をお持ちの方もいますよね。
成功のコツとしてもご紹介したように、単価交渉にはタイミングも非常に重要な要素となります。
実際に交渉を行うのに適切なタイミングは、以下の3つになります。
新年度・新規プロジェクトが始まるタイミング
まず、新年度が始まる4月や、ひとつのプロジェクトが終了し、新たなプロジェクトが始まるタイミングなど、節目となるタイミングはおすすめです。
特に新年度はクライアント企業自体も経営方針や社員待遇などの見直しを行う時期のため、便乗して検討してもらえることがあるでしょう。
また、新規のプロジェクト前にスキルを示すことができれば新たな業務も任せてもらいやすく、単価を上げる理由にもなりやすいですね。
業務委託契約を更新するタイミング
現在契約しているクライアントと業務委託契約を更新するタイミングも、単価交渉しやすいタイミングです。
契約更新はそれまでの契約内容を見直し、実績や仕事内容とともに価格を提示し交渉しやすい機会となります。
不利な条件を出された際に契約の終了も視野に入れやすい時期でもありますので、単価交渉に適したタイミングと言えるでしょう。
明確な実績・成果を上げたタイミング
単価交渉の交渉材料には、具体的な実績が必要です。
そのため、担当した案件で売上が発生しクライアントの利益になったなど、明確に実績や成果を上げられたというタイミングは分かりやすいでしょう。
現在契約している企業との継続案件はもちろん、新規案件で交渉して単価を上げたいというときにも交渉材料となるため、交渉しやすいタイミングとなります。
単価交渉が苦手な方におすすめの対処法
フリーランスエンジニアとして働く方の中には、単価交渉が苦手という方も多くいることでしょう。
報酬の問題は、確かにクライアントに自分からは言い出しにくい問題ではありますよね。
では、そういった人はどうすればよいのか、その対処方法には以下のようなものがあります。
そもそも高単価の案件を目指す
1つ目の方法は、交渉をしなくても済むように契約段階で高単価の案件の受注を目指したり、納得できる単価で契約することを心がけるというものです。
契約時に納得できる金額であれば、再度単価交渉をする必要はなくなるでしょう。
しかし、もともと高単価の案件では高いスキルが求められますので、事前にスキルアップを目指す必要があるでしょう。
エージェントに単価交渉を代行してもらう
フリーランスの案件探しをサポートしてくれる、エージェントサービスを利用するという方法もあります。
エージェントサービスでは、エージェントに単価も含めて交渉を代行してもらうことが可能になります。
しっかりと根拠となるスキルはあるが交渉が苦手という方は、エージェントのサポートを受けるのもおすすめですね。
希望やスキルに沿った案件探しも行ってくれるため、案件探し自体が難しく感じているという方や高単価の案件を探す人にもおすすめです。
まとめ
今回の記事では単価をアップさせたいフリーランスエンジニアに向けて、単価交渉のやり方や適切なタイミング、成功させるコツなどをご紹介しました。
営業まで自身で行うフリーランスエンジニアは、単価交渉も自ら行うことになります。
フリーランスエンジニアが働いていく上で、生活のためにも高収入を得るためにも単価交渉は非常に重要になるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、エージェントの利用なども視野に入れながら単価交渉に臨んでみてくださいね。